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談話室
西北ネパール,ジュムラにおけるEye Campに参加して—(その1)
著者: 神谷貞義 西岡啓介1
所属機関: 1奈良医大眼科学教室
ページ範囲:P.57 - P.60
文献購入ページに移動Eye Campとは,眼科医を中心とした移動診療隊が僻地を移動巡回して,眼の検診,並びに白内障を中心とした開眼手術を行なうものをいう。こうしたEye Campは,各国,特にインドで頻回に行なわれており,ネパールで本格的なEyeCampが開かれたのは10年前,奈良医大の神谷が,百瀬,畠山,岡の三講師を伴い,カトマンズーにおいて,ネパールの国立病院の眼科医長Dr.Joshi及びDr.Prasadoとともに,共同して開いたのが最初である。その後,このことを契機として,奈良医大とDr.Joshi,ネパールの王家の人達,要人と親交が始まつた。そのことは,ネパールを訪れるまで,全くその国の歴史,文化について知らなかつたのに,カトマンズーに行き,そこで,けんらんたるネパールマルラ王朝の遺跡を見,又,釈迦の誕生地,ルンビニーを訪れ,その国の歴史,文化の歴史的変遷をながめ,それを通して,逆に日本の仏教を中心にした歴史,文化の流れの裏に流れる真の姿を発見できた。
そのことは,ネパールを,我々日本人の古里と感じとらせるとともに,ネパールの人達とのより深い親近感を増させることになつたからである。
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