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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科26巻1号

1972年01月発行

手術

網膜剥離手術と渦静脈

著者: 丸山光一1

所属機関: 1高松赤十字病院眼科

ページ範囲:P.65 - P.73

文献概要

緒言
 網膜剥離の場合,網膜裂孔は一般に網膜周辺部に見出されることが多い。しかし時として裂孔の位置が渦静脈の強膜貫通部位近くの網膜に認められることもあり,このような網膜剥離は手術の際渦静脈が妨げになり,著しく複雑困難になる。すなわら,裂孔がかなり深い位置(網膜中心部寄り)に存在するためにdiathermyを行なう際には,強膜をかなり深部まで露出せねばならず,しかも渦静脈に手術侵襲を加えぬように注意を払いながら,的確に裂孔閉塞を行なわねば手術の目的は達せられない。また強膜に対する種々の補助千術(scleral infolding,scleral buckling,equato—rial ring operation等)の場合も,渦静脈損傷の危険が大きいが,これは絶対に避けねばならぬ。またlight coagulation,cryoapplicationの場合も渦静脈は,常に損傷の危険にさらされており,手術法の如何にかかわらず慎重な手術を要求されることはいうまでもない。
 著者は過去において渦静脈近くにある,網膜裂孔により発生した剥離に対して手術を行ない,渦静脈に損傷を加えるという苦い経験を味わったことがある。以下に渦静脈損傷2例を紹介し,あわせて最近著者が工夫採用している渦静脈損傷防止策について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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