文献詳細
文献概要
臨床実験
網膜静脈枝血栓症に対する光凝固術
著者: 瀬戸川朝一1 渡辺玲子1
所属機関: 1鳥取大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1211 - P.1214
文献購入ページに移動緒言
網膜静脈の一枝に血栓が生じると,その支配領域に神経線維の方向に一致した出血がみられる。なかでも最も頻度の高いものは,上耳側静脈,ついで下耳側静脈である。これら一枝だけの閉塞では,網膜中心静脈血栓症のごとく,突然の視力低下を訴えることはないが,それらがいずれも黄斑部の上方もしくは下方に位置するため,徐々に黄斑部に病変が及び,出血斑,白斑,および黄斑浮腫をきたし,視力低下につながる。また網膜静脈枝血栓症は,自然にあるいは薬物療法によつて,きわめて緩慢ではあるが治癒することが知られている。しかし,その経過の長いこと,視力の予後が保障されないこと等不満足な面が多々ある。著者らはこの度,網膜静脈血栓症の症例に光凝固術を試み著効をみたので報告する。
網膜静脈の一枝に血栓が生じると,その支配領域に神経線維の方向に一致した出血がみられる。なかでも最も頻度の高いものは,上耳側静脈,ついで下耳側静脈である。これら一枝だけの閉塞では,網膜中心静脈血栓症のごとく,突然の視力低下を訴えることはないが,それらがいずれも黄斑部の上方もしくは下方に位置するため,徐々に黄斑部に病変が及び,出血斑,白斑,および黄斑浮腫をきたし,視力低下につながる。また網膜静脈枝血栓症は,自然にあるいは薬物療法によつて,きわめて緩慢ではあるが治癒することが知られている。しかし,その経過の長いこと,視力の予後が保障されないこと等不満足な面が多々ある。著者らはこの度,網膜静脈血栓症の症例に光凝固術を試み著効をみたので報告する。
掲載誌情報