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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科26巻10号

1972年10月発行

文献概要

臨床実験

小型広角検眼鏡について

著者: 野寄達司1 馬場賢一1 藤田邦彦2 田中宏和2 加藤尚臣3 田尾森郎3 清水利治3

所属機関: 1埼玉医科大学眼科学教室 2順天堂大学医学部眼科学教室 3日本光学工業株式会社

ページ範囲:P.1229 - P.1231

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緒言
 検眼鏡には多くの種類があり,それぞれに特徴を有しているが,現在最も広く使用されているのは直像式小型検眼鏡であろう。この直像鏡は,小型プリズムで瞳孔の下半部から照明し,上半部からレコスレンズ盤で観察するというきわめて簡単な光学系でありながら,全体が小型で正常瞳孔で鮮明に眼底を正立像として観察することができ,臨床上欠くことができない診断器具のひとつである1)。しかし一方に視野が狭いこと(12°前後),患眼の屈折異常による像の大きさの変化が著しいことと,特に強度の屈折異常,たとえば高度近視では像が拡大し乳頭またはその一部しかみられない(相対的な視野の狭小)という欠点も生ずる。この狭い視野を補うために,直像鏡による眼底の観察法は,いわゆる組立て法であつて,眺めまわして頭の中で所見をまとめるわけであるが,時に見落とす危険も多い。また最近では眼底病の精密な診断には,写真撮影を含めて散瞳する場合が多くこの場合には正常瞳孔による観察という直像鏡の最大の利点が失われるのみでなく,射出瞳の拡大のために鮮明度が低下する恐れがある。
 さてこれらの直像鏡の欠点を補い,特に観察視野を広げることにより,眼底所見の位置的関係を明確にすることは,病変の正確な診断のために非常に有益なことである。この目的で現在市販されている検眼鏡は,たとえば,ナイツC型検眼鏡,およびA.O.monocular ophthalmoscopeがある2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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