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臨床実験
落射型螢光顕微鏡所見にもとづく螢光眼底像の解説
著者: 水野勝義1
所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1233 - P.1239
文献購入ページに移動緒言
フルオレスセン組織化学の発達に伴い,螢光眼底像を単なる推論としてでなく,形態的,病理学的見地から解読しようとの試みが進みつつある。しかし,その目的に関する限り,パラフィン,ないし凍結切片を用いて,螢光顕微鏡で観察する古典的な方法による所見のみでは,十分な情報が得られない。したがつて,網脈絡膜の伸展標本の螢光顕微鏡的研究が必要となつた。凍結乾燥伸展標本作製法は水野1),Mizuno et al.2),Mizuno3),佐々木ら4)により報告されてきたが,これらの方法では,従来の螢光顕微鏡を用いているため,透過光線によつて試料を観察している。したがつて,螢光眼底写真の撮影では,常に励起光が前面から入射されるという条件とは根本的に異なり,この方法のみでは確実な論拠を与えるに至つていない。そこで,励起光を標本の前面から照射する螢光顕微鏡の必要性を痛感し,斜照型(落射型)螢光顕微鏡を試作し,これにより伸展標本を観察し,螢光眼底写真所見における種々の問題点に新しい解釈を試みたので報告する。
フルオレスセン組織化学の発達に伴い,螢光眼底像を単なる推論としてでなく,形態的,病理学的見地から解読しようとの試みが進みつつある。しかし,その目的に関する限り,パラフィン,ないし凍結切片を用いて,螢光顕微鏡で観察する古典的な方法による所見のみでは,十分な情報が得られない。したがつて,網脈絡膜の伸展標本の螢光顕微鏡的研究が必要となつた。凍結乾燥伸展標本作製法は水野1),Mizuno et al.2),Mizuno3),佐々木ら4)により報告されてきたが,これらの方法では,従来の螢光顕微鏡を用いているため,透過光線によつて試料を観察している。したがつて,螢光眼底写真の撮影では,常に励起光が前面から入射されるという条件とは根本的に異なり,この方法のみでは確実な論拠を与えるに至つていない。そこで,励起光を標本の前面から照射する螢光顕微鏡の必要性を痛感し,斜照型(落射型)螢光顕微鏡を試作し,これにより伸展標本を観察し,螢光眼底写真所見における種々の問題点に新しい解釈を試みたので報告する。
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