臨床眼科26巻11号

1972年11月発行

臨床実験

眼球打撲と隅角離開について

著者： 高橋禎二¹ 鈴木光雄¹ 藤田邦彦¹ 鈴木正子¹ 千代田和正¹ 中島章¹

所属機関： ¹順天堂大学医学部眼科学教室

ページ範囲：P.1291 - P.1296

緒言
　眼球打撲は，その受傷時の外力により，重篤な眼球組織の破壊をきたすものから，眼瞼浮腫程度ですむ場合までさまざまであるが，その後遺症，併発症もさまざまである。
　外傷に起因する各種緑内障も，現在では成書に系統的に分類されているが^1），眼球の鈍的外傷後（打撲後），あたかも原発性広隅角緑内障のごとくの経過をとる緑内障と，隅角部変形（angle reces—sion）との関連が証明され^2），原発性広隅角緑内障との鑑別がされをようになつたのは，比較的最近のことである。