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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科26巻12号

1972年12月発行

臨床実験

Behçet症候群と線溶能

著者: 三根亨1

所属機関: 1大阪赤十字病院眼科

ページ範囲:P.1409 - P.1413

文献概要

緒言
 無菌的に採血した血液が一たん固まつたのち,凝塊(線維素)がとけてしまつて再び流動性になる現象を線維素溶解(線溶)という。この線溶現象は発熱,精神感動,はげしい運動やacetyl—cholin,adrenalin,細菌多糖類などの注射や,allergy性疾患,anaphylaxy,手術(特に肺,前立腺などの手術),腰椎麻酔,月経,外傷,出血,ショック,急死,種々の産科疾患,放射線被爆,火傷,白血病,その他の悪性腫瘍などのさいに見られる。
 線溶現象は1761年にMorgagni,1764年にJohn Hunterによりすでに観察されているが,その後久しくこの問題はかえりみられず,1940年代になりその機構が次々に明らかになつてきた。すなわち血液中にある蛋白分解酵素plasminが線維素を消化分解する結果線維素の溶解が起こることが明らかとなつた。このplasminはfibrinやfibrinogenを特異的に強く分解するもので,線溶酵素fibrinolysinともよばれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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