文献詳細
臨床実験
文献概要
緒言
無菌的に採血した血液が一たん固まつたのち,凝塊(線維素)がとけてしまつて再び流動性になる現象を線維素溶解(線溶)という。この線溶現象は発熱,精神感動,はげしい運動やacetyl—cholin,adrenalin,細菌多糖類などの注射や,allergy性疾患,anaphylaxy,手術(特に肺,前立腺などの手術),腰椎麻酔,月経,外傷,出血,ショック,急死,種々の産科疾患,放射線被爆,火傷,白血病,その他の悪性腫瘍などのさいに見られる。
線溶現象は1761年にMorgagni,1764年にJohn Hunterによりすでに観察されているが,その後久しくこの問題はかえりみられず,1940年代になりその機構が次々に明らかになつてきた。すなわち血液中にある蛋白分解酵素plasminが線維素を消化分解する結果線維素の溶解が起こることが明らかとなつた。このplasminはfibrinやfibrinogenを特異的に強く分解するもので,線溶酵素fibrinolysinともよばれている。
無菌的に採血した血液が一たん固まつたのち,凝塊(線維素)がとけてしまつて再び流動性になる現象を線維素溶解(線溶)という。この線溶現象は発熱,精神感動,はげしい運動やacetyl—cholin,adrenalin,細菌多糖類などの注射や,allergy性疾患,anaphylaxy,手術(特に肺,前立腺などの手術),腰椎麻酔,月経,外傷,出血,ショック,急死,種々の産科疾患,放射線被爆,火傷,白血病,その他の悪性腫瘍などのさいに見られる。
線溶現象は1761年にMorgagni,1764年にJohn Hunterによりすでに観察されているが,その後久しくこの問題はかえりみられず,1940年代になりその機構が次々に明らかになつてきた。すなわち血液中にある蛋白分解酵素plasminが線維素を消化分解する結果線維素の溶解が起こることが明らかとなつた。このplasminはfibrinやfibrinogenを特異的に強く分解するもので,線溶酵素fibrinolysinともよばれている。
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