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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科26巻2号

1972年02月発行

文献概要

特集 第25回日本臨床眼科学会講演集(その1) 学会原著

眼球圧迫試験(須田)後にみられた前房隅角出血

著者: 井上洋一1 井上トヨ子1

所属機関: 1オリンピアクリニック眼科

ページ範囲:P.155 - P.159

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緒言
 シュレム管(S管)に相当する部位に充血の認められることは,Salzmannの記載1)以来幾多の報告がある2)。しかしながら,一定の外力を加えてS管に充血を誘発せしめて観察したのは,Kronfeld3)4)がはじめてである。わが国においても,眼球加圧後のS管の充血現象について,池辺5)〜7)(10例20眼),大野8)(47例81眼)の詳細な観察がある。いずれもS管の充血を認めても,血液の漏出を伴つた例は皆無と報告している。
 著者らはPosner Schlossman の1症例で,S管の位置,幅等の状態を調べるために,須田圧迫試験を施行し,充血現象を誘発せしめたところ,加圧除去後S管より前房内への出血を認めた(Fig.1)。これまで,須田圧迫試験においては,いわゆる定型的な充血現象3)を認めるのみで,かような出血例の報告がなかつたので,さらに症例を追加して検索した。そして6例7眼にS管よりの出血を認めたので,その出血の状態とその原因と考えられる因子について報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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