文献詳細
文献概要
臨床実験
緑内障のメンキンテストに関する研究
著者: 細田淳雄1
所属機関: 1日本医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.217 - P.228
文献購入ページに移動緒言
Menkin1)は炎症に対して新しい概念を有している。それによると炎症は,まず毛細血管における体液交流の障害をもつてはじまるという。すなわち,炎症局所では毛細血管の透過性が強く亢進するので,正常の濾過平衡も失われるために,組織細胞も透過性が亢進する。その結果,細胞内液が細胞外へ滲透してくるので,毛細血管周囲組織は血管と傷害細胞とから滲透してきた液で満たされるようになる。このような液は,血漿と傷害細胞から遊離してきた物質とから成り立ち,滲出液と名付けている。この滲出液中の毛細血管の透過性を高める因子は何かというに,MenkinはLeu—kotaxineなる物質を抽出した。Leukotaxineは比較的簡単なポリペプチッドで,拡散性で透析膜を通過するものであるが,Menkinはこれが炎症局所の傷害細胞の蛋白が崩壊する途中の産物であるとしている。そしてLeukotaxineの透過性を抑制し得る物質は,副腎ホルモンのみであると考えている。
Menkin1)は炎症に対して新しい概念を有している。それによると炎症は,まず毛細血管における体液交流の障害をもつてはじまるという。すなわち,炎症局所では毛細血管の透過性が強く亢進するので,正常の濾過平衡も失われるために,組織細胞も透過性が亢進する。その結果,細胞内液が細胞外へ滲透してくるので,毛細血管周囲組織は血管と傷害細胞とから滲透してきた液で満たされるようになる。このような液は,血漿と傷害細胞から遊離してきた物質とから成り立ち,滲出液と名付けている。この滲出液中の毛細血管の透過性を高める因子は何かというに,MenkinはLeu—kotaxineなる物質を抽出した。Leukotaxineは比較的簡単なポリペプチッドで,拡散性で透析膜を通過するものであるが,Menkinはこれが炎症局所の傷害細胞の蛋白が崩壊する途中の産物であるとしている。そしてLeukotaxineの透過性を抑制し得る物質は,副腎ホルモンのみであると考えている。
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