文献詳細
特集 第25回日本臨床眼科学会講演集(その2)
学会原著
文献概要
緒言
ふつう,赤色光に順応した眼では赤の領域の感度が緑の領域のものに対する感度より低下し,また,緑色光に順応した場合,その眼は逆に緑の領域での感度が赤の領域のそれよりずつと低下しており,これを色順応眼の色選択性といつている。Wald1)はこの色順応の性質が色覚に障害のある眼(先天異常)ではなくなつており,たとえば赤色光でも,緑色光でもその分光比視感度に与える影響は同じものとなつてしまうと述べている。この色順応の色選択性の障害がいわゆる後天的色覚異常があるとき,その色覚異常の原因が網膜にあるか,それより中枢寄りの視神経にあるかによつてどのように異なるかを知りたいと思い,次の実験を行なつた。
ふつう,赤色光に順応した眼では赤の領域の感度が緑の領域のものに対する感度より低下し,また,緑色光に順応した場合,その眼は逆に緑の領域での感度が赤の領域のそれよりずつと低下しており,これを色順応眼の色選択性といつている。Wald1)はこの色順応の性質が色覚に障害のある眼(先天異常)ではなくなつており,たとえば赤色光でも,緑色光でもその分光比視感度に与える影響は同じものとなつてしまうと述べている。この色順応の色選択性の障害がいわゆる後天的色覚異常があるとき,その色覚異常の原因が網膜にあるか,それより中枢寄りの視神経にあるかによつてどのように異なるかを知りたいと思い,次の実験を行なつた。
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