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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科26巻3号

1972年03月発行

文献概要

特集 第25回日本臨床眼科学会講演集(その2) 学会原著

単色光ERGの臨床的応用に関する研究(Ⅰ)

著者: 吉田輝也1

所属機関: 1三重県立大学医学部眼科教室

ページ範囲:P.337 - P.344

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緒言
 ERGのb波の中に,いくつかの異なつた成分波が含まれていることに関して,本川,三田13)およびAdrian1)は,それぞれ独立して色光による分析を行なつた。本川と三田は中等度明順応時に人眼ERGを記録し,Purkinje現象の存在を証明すると同時に,赤色光でよく現われ,b波に先行する尖鋭な形の陽性波を発見し,それにx波という名称を付した。Adrianもやや遅れて,Deepred, Orangen red等,数種の単色光ERGの明,暗順応下における波形の変化を観察し,b波の中にScotopic, Photopicの二つの成分波が含まれていることを報告した。その後,前者をbs波,後者をbp波と呼ぶようになり,Heck, Re—ndahl10)が最初に指摘したように,bp波の中にも,色光によるいくつかの陽性成分が存在することが知られるようになつた。
 単色光ERGに関しては,その後生理学的な分野では多くの研究が行なわれてきたが2)4)5)6)11)12)現在,臨床的にはあまり普及していない。もちろん,それには,装置,操作の煩雑さと,その効用のバランスということも関連しているわけで,その点に関する検討はいまだ十分には行なわれていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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