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特集 第25回日本臨床眼科学会講演集(その2) 学会原著
交感性眼炎の眼底周辺部にみられる,いわゆるFuchs-Dalén巣の微細構造—第1報巣内の色素上皮細胞の変化について
著者: 石川豊子1 生井浩1
所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.359 - P.367
文献購入ページに移動交感性眼炎のさい,脈絡膜内の炎症に伴い網膜色素上皮層に細胞が結節状に増殖したいわゆるFuchs-Dalén巣(以下F-D巣と略す)は,検眼鏡的には眼底の白色斑として認められる。組織学的には主として脈絡膜内のいわゆる類上皮細胞に酷似した細胞によつて構成されるが,その意義もまた微細構造もいまだ解明されていない。本来,網膜色素上皮細胞層は色素顆粒を保有する一層の上皮細胞によつて構成されているが,ここにみられるF-D巣の形成に色素上皮細胞が直接関与しているとすれば,この部において脱色素現象を含む色素細胞の諸変化の過程が観察されるわけである。
以上の観点からわれわれは今回F-D巣の微細構造,特に色素上皮細胞の変化の状況について観察したので報告する。
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