文献詳細
文献概要
臨床実験
伏在眼球の一症例
著者: 相沢芙束1 森田克彦1 篠田実2
所属機関: 1札幌医科大学眼科学教室 2札幌医科大学小児科学教室
ページ範囲:P.377 - P.383
文献購入ページに移動伏在眼球または眼球潜伏症Cryptophthalmosと呼ばれる先天奇形は比較的まれなもので,1872年にZehender1)が第1例を報告して以来約50例の報告がなされた。邦文症例では1911年大西氏2)の報告を第1例として,現在まで20例余の報告をみる。
本症は正常の眼瞼および瞼裂を認め得ず,前頭部より連続した皮膚が眼窩前面を覆つて,眼窩内には発育不全な眼球が存在するものである。両眼の場合があり,また,種々の合併症を伴うもので,指趾癒合,生殖器奇形,顔面亀裂,兎唇,ヘルニア,精神発育遅延,他眼の異常(上眼瞼欠損,小眼球等)がみられる3)。
掲載誌情報