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特集 第25回日本臨床眼科学会講演集(その3) 学会原著
網膜静脈血栓症に対する抗凝血療法と光凝固の併用療法
著者: 福地悟1 浅山盾夫1 加賀典雄1
所属機関: 1関西医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.469 - P.484
文献購入ページに移動近年平均寿命の延長に伴つて高血圧症や動脈硬化症,脳血栓症等の循環障害が増加してきており,眼科においても網膜静脈血栓症による高度の視力低下をきたした患者に遭遇することが多くなつた。本症は比較的高齢者に多く発症し,すでに網膜血管に動脈硬化症の病変が存在することが多いために出血の吸収に長期間を要し,これを放置した場合はもちろんのこと,従来の止血剤,ヨード剤等による消極的治療では網膜の出血,浮腫が長期間残存し,やがて網膜変性に陥つて視力の予後は一般的にいつて不良であることはよく知られている。
本症に対する抗凝血療法はすでに1937年より行なわれ1)2),その後種々の新しい抗凝血剤の開発とともに多数の治療成績が報告されている。抗凝血療法を網膜静脈血栓症に対して行なうということは,誠に理にかなつた治療法であり,まず第一選択として用いるべき方法であると思われるが,残念ながら本邦においてはいまだ一般的に広く用いられていないきらいがある。
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