文献詳細
特集 第25回日本臨床眼科学会講演集(その3)
学会原著
眼外傷の黄斑部に及ぼす影響に関する研究(第1報)—鉄片外傷による猿眼黄斑部の変化
著者: 渡辺千舟1 山岨三樹1 吉原正晴1 石原千栄1 山地慎三郎1
所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.495 - P.501
文献概要
鉄片が眼内に残存すると眼内組織の障害が生じ,臨床的に鉄錆症が発現するが,その障害は眼内に平等に起こるのではなく,部位的に黄斑部が限局性変化を受けやすいことをHaabがはじめて記載して以来,内外ともに多くの報告がなされてきた。
最近では,牧内氏がサルの硝子体内に鉄片を挿入して実験を行ない,初期のおもな組織的変化はHenle線維層の浮腫,色素上皮細胞の変性,脈絡膜後極部の滲出液貯溜であり,従来の鉄錆症臨床報告例にみられるごとく,黄斑部が限局性に侵されるのを確認した。
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