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特集 第25回日本臨床眼科学会講演集(その3) 学会原著
Behçet病治療法の検討—その6抗プラスミン剤
著者: 青木功喜1 斉藤一宇1 藤岡憲三1
所属機関: 1北海道大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.511 - P.516
文献購入ページに移動慢性の経過をとつて眼科的な予後がきわめて悪いBehçet病における副腎皮質機能は,多くの場合長期に投与されるSteroid Hormonのために抑制をうけており,Homeostasisの保持はきわめて困難な状態となつている。その臨床像において血管透過性の亢進,血栓形成は比較的容易に見られる変化である。このような変化を示すBehçet病は,われわれの免疫血清学的検討からも,その背景には免疫学的機序の関与が考えられる1)〜6)。さらにこの抗原抗体反応に続いて起こつてくる組織障害には補体,線溶系,血管透過性因子,白血球遊走因子などが関与していることがわかつてきているが,Behçet病においてもこれらの因子の関与は考慮される点である。この中でも血栓形成傾向および血栓が器質化されることの少ない点など,Behçet病では特異な形で線溶系が関係していると思われる。今回は線溶系の関与およびこれに続く抗プラスミン剤の使用上の問題について考察を重ねてみたい。
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