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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科26巻4号

1972年04月発行

文献概要

特集 第25回日本臨床眼科学会講演集(その3) 学会原著

人眼ヘルペスウイルスの家兎水晶体培養細胞に及ぼす影響

著者: 佐藤泰司1

所属機関: 1岩手医科大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.525 - P.534

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緒言
 単純性疱疹ウィルス(herpes simplex virus=HSV)は,ヘルペスウイルス群に属する代表的なウイルス1)で,最も広くヒトを侵襲する2)といわれている。
 HSV感染による眼疾患には,ヘルペス性眼瞼炎,ヘルペス性角膜炎,ヘルペス性ブドウ膜炎等がある3)〜5)。特に,ヘルペス性角膜炎は,近年,コルチコステロイドの眼科的応用の急増に伴つて,その発生頻度ならびに重篤度が著しく増加し,従来は比較的まれとされていた両側性の罹患も多発化の傾向にある6)7)。さらに,本症はその難治性と再燃性とが特徴で,高度の視力障害を残すことから社会的にも重要な問題となりつつあつて,角膜移植術の最大の適応疾患となつているが,今泉8)が指摘したごとく,本症の角膜移植術には今日なお,大きな制約が存在している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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