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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科26巻4号

1972年04月発行

文献概要

臨床実験

最近9年間における白内障手術の統計的観察—特に老人性白内障手術における合併症について

著者: 稲富誠1 井上成紀1 梶尾高根1 普天間稔1 儘田直久1

所属機関: 1順天堂大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.563 - P.570

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はじめに
 白内障手術は眼科手術の中で頻度も多く最も重要とされるもので,特に視力を回復するという点で最も喜ばれるものである。一般にどのような手術でも合併症の少ないほど良い結果を得ることができることはいうまでもなく,また,良い手術法とは簡単でかつ安全で手軽に行なえ,合併症発生の危険性が少なく,それでなおよい結果が得られるものであろう。最近白内障手術においてもいろいろ改良され角膜切開を小さくする方法の報告1)や,縫合の方法およびその数などに工夫がみられ,さらにCryosurgery2)〜4),microsurgery5),超音波破壊吸引法6)などが報告されているが,これらの中にはかなり高度のテクニックと高価な器械を必要とするものが少なくない。
 当教室では若い医師も入局1年目の後半より白内障手術を行なつている。その大部分は合併症も少なく良い結果を得ているが,かなりの経験者でも多数の症例の中にはどうしても良い結果が得られなかつた例がある。庄司氏は「白内障手術の回顧と成績」7)と題して氏の経験談をのべ,「全てに万全を期し処置にも遺漏なき様につとめた」にもかかわらず成績がよくなかつた例をのべておられる。比較的経験の浅い術者でもどうすれば事故なく安全にかつ完璧に手術を行なえるかは大切な問題であり,われわれは常にこれに対する反省と工夫を怠つてはならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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