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特集 第25回日本臨床眼科学会講演集(その4) 学会原著
IgAによるHyperviscosity Syndromeの1例
著者: 松尾治亘1 加藤晴夫1 友永正昭1 鈴木隆次郎1 鈴田達男2
所属機関: 1東京医科大学眼科学教室 2東京医科大学血清学教室
ページ範囲:P.625 - P.629
文献購入ページに移動1932年Reismannは,多発性骨髄腫に伴う血漿粘度の上昇によつて,神経症状,粘膜出血傾向,心臓症状が起こることを報告し,Wintrobeらは,これが特徴ある眼底変化を呈することを報告した1)。その後Waldenströmはmacroglo—bilinemiaに,またCarrやHenkind2)はリンパ性白血病,多発性骨髄腫でも類似の眼底変化の起こることを報告している。その変化は血漿粘度の上昇による乳頭の浮腫,網膜静脈の怒張,蛇行,ソーセージ状変化,多数の小出血斑,および滲出斑等である。
今回われわれは,免疫globulinの異常亢進により,血漿粘度が上昇し,そのために特徴ある眼底所見を呈し,その経過観察中にSjögren'ssyndrome様症状を呈した症例を経験したので報告する。
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