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特集 第25回日本臨床眼科学会講演集(その4) 学会原著
視神経膠腫について
著者: 井街譲1 下奥仁1 井上晃一1 伊藤興喜1
所属機関: 1神戸大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.667 - P.679
文献購入ページに移動視神経膠腫は稀な腫瘍であり,たとえばMar—tin&Cushing11)によれば,826例の脳腫瘍症例中7例すなわち0.84%にこれを認めたといい,Taveras15)は2,000例の頭蓋内膠腫のうち1.7%に本症をみている。著者らの教室において1945年から1971年までに356例の脳腫瘍症例に開頭手術を行ない,7例の視神経膠腫症例に遭遇した。このうち,視交叉神経膠腫の3例については1963年にすでに報告したが10),その後1971年10月末までに4症例を得た。これらの症例のうちには視野欠損の状態あるいは内分泌機能障害などから下垂体腺腫を疑わしめた症例もあり,神経眼科的に興味ある点が多いのでここに報告する。
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