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特集 第25回日本臨床眼科学会講演集(その4) 学会原著
いわゆるScheie症候群(Mucopolysaccharidosis)と思われる1例について
著者: 河本道次1 有本秀樹1
所属機関: 1東邦大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.685 - P.692
文献購入ページに移動Hunter (1917年)1)は侏儒,肝脾腫大,四肢の運動障害,鼠径ヘルニア,心肥大,難聴,広い歯間を主症状とした珍しい症例を報告した。ついでHurler (1919年)2)はこれと類似の症例で,さらに知能障害,発育障害,角膜混濁,亀背を伴う症例を記載し,Ellisら(1936年)3)がこれをGargoylismと名づけた。その後Brante (1952年)4)が本症の患者より多量の酸性ムコ多糖体を抽出し,Mucopolysaccharidosisといわれるようになり,Scheie (1962年)5)は10例のMucopolysacchari—dosisを発表し,特に眼科学的に詳細に述べ,またMcKusick (1965年)6)は臨床所見,尿中ムコ多糖体の異常排泄,質的異常,遺伝形式等からHurler,Sanfilippo,Morquio,Scheie症候群の5型に分類したが,さらに1969年7)にMaroteaux—Lamy症候群の1型を加え,6型に分類した。私どもは今回Muco—polysaccharidosisでMcKusickの分類の第V型であるScheie症候群と思われる1例を経験し,眼科的にいささか検討を加える機会を得たので,ここに報告する。
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