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特集 第25回日本臨床眼科学会講演集(その4) 学会原著
螢光眼底撮影法—その6視神経乳頭の螢光像
著者: 清水弘一1
所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.717 - P.724
文献購入ページに移動緒言
螢光眼底造影法が網膜のみならず,視神経乳頭の微小循環の解析や,その病変の補助診断法として利用できることは,すでにいくつもの報告があるが,その応用は主としてうつ血乳頭などに限られていた。ことに,視神経乳頭の螢光像を,乳頭内の血管構築や,乳頭周囲の脈絡膜血行と関連させて解釈しようとする試みは,近年,緑内障眼などではじまつてはいるものの2)4),まだ緒についたばかりであり,特に,正常眼での螢光所見と関係してとられていないため,まだ多くの問題点を残している。
著者は新しいフィルターの組み合わせと,頻回螢光撮影手技とを採用することにより,従来の方法では得られなかった視神経乳頭の螢光を記録解析することに成功し,とくに,正常眼についても,乳頭そのものの螢光に,その血管構築と関連したいくつかの型があること,そして,乳頭内血行は,脈絡膜循環と密接な関係のあることを発見した。これらの知見は,今後,各種の病的状態における乳頭の螢光像を解釈する場合にも,つねに留意されるべき基準であるとみなされる。
螢光眼底造影法が網膜のみならず,視神経乳頭の微小循環の解析や,その病変の補助診断法として利用できることは,すでにいくつもの報告があるが,その応用は主としてうつ血乳頭などに限られていた。ことに,視神経乳頭の螢光像を,乳頭内の血管構築や,乳頭周囲の脈絡膜血行と関連させて解釈しようとする試みは,近年,緑内障眼などではじまつてはいるものの2)4),まだ緒についたばかりであり,特に,正常眼での螢光所見と関係してとられていないため,まだ多くの問題点を残している。
著者は新しいフィルターの組み合わせと,頻回螢光撮影手技とを採用することにより,従来の方法では得られなかった視神経乳頭の螢光を記録解析することに成功し,とくに,正常眼についても,乳頭そのものの螢光に,その血管構築と関連したいくつかの型があること,そして,乳頭内血行は,脈絡膜循環と密接な関係のあることを発見した。これらの知見は,今後,各種の病的状態における乳頭の螢光像を解釈する場合にも,つねに留意されるべき基準であるとみなされる。
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