icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科26巻6号

1972年06月発行

文献概要

臨床実験

チメロサール(点眼薬防腐剤)によるアレルギー性結膜炎,眼瞼結膜炎

著者: 鈴木宏1

所属機関: 1住友別子病院眼科

ページ範囲:P.783 - P.788

文献購入ページに移動
緒言
 外科または皮膚下領域では,チメロサール(マーゾニン)によるアレルギー性接触性皮膚炎は日常しばしば見られるところである。一方,チメロサールは点眼薬の防腐剤として,あらゆる医薬用,一般市販用点眼薬に含まれている。しかるに,眼科領域では,チメロサールによるアレルギー性結膜炎,または眼瞼結膜炎はあまり問題にされていない。
 著者は市販用点眼薬によつて起こつたアレルギー性結膜炎と思われる例に遭遇し,チメロサールを含むステロイド点眼剤で治癒しえなかつた。その後の治療経過から,その患者はチメロサールに対し過敏性を持つていることがわかつた。著者は,さらに,点眼薬によつて眼の充血,またはなんらかの眼症状を起こしてきた患者に,チメロサールのパッチテストを行なつたところ,これらの患者の中には,チメロサールに対し過敏性を有するものが多いことがわかつた。これまでの症例から,われわれの日常の臨床には,チメロサールに対し過敏性を持つ患者が潜在していて,疾患の診断,治療,経過観察の上で,誤つた解釈がなされる可能性があることがわかつた。ここに,これまで経験された症例の数例について報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら