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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科26巻8号

1972年08月発行

文献概要

臨床実験

網膜芽細胞腫の保存的療法

著者: 箕田健生1 龍山内子1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1007 - P.1014

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緒言
 網膜芽細胞腫の保存的療法に関しては,Reese一派のX線,超高圧X線照射とTEM (triethy—lene melamine)頸動脈灌流療法1)〜8),Stallard等の放射性同位元素(ラジウム,ラドン,60Co)の強膜上縫着照射とEndoxan (cyclophospha—mide)内服療法9)〜12),およびMeyer-Schwi—ckerath一派の光凝固とEndoxan内服療法13)〜17)等が,数多くの症例において試みられ優れた業蹟が報告されている。わが国では南18),百々19),大島20),清水21)諸氏の報告があるが,いずれも1例報告であった。最近,桐淵22)はわが国でははじめての多数例における各種の保存的療法の成果を報告し,21例中9例は視力を保持したまま腫瘍の治療に成功している。
 われわれは最近,両側性網膜芽細胞腫の患児4例に,ラドン・シード強膜上縫着照射,光凝固,およびEndoxan内服の三者併用療法を試みたところ,3例は良好な視力を保って全治し,残りの1例は現在経過観察中である。本論文の主な目的は第1に,網膜芽細胞腫の腫瘍の大きさ,位置.数と保存的療法の成績との関係について従来広く用いられているReeseの分類7)を若干修正した新しい分類を提唱することである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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