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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科26巻8号

1972年08月発行

文献概要

眼・光学学会

手持眼底カメラについて

著者: 野寄達司1 馬場賢一1 田中宏和1 加藤尚臣2 田尾森郎2

所属機関: 1順天堂大学医学部眼科学教室 2日本光学工業

ページ範囲:P.1061 - P.1064

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はじめに
 手持眼底カメラはすでに10年以上の臨床的経験があり1),最近は種々の市販モデルもあつて,広く応用されている。しかしこれらの多くは,著者のオリジナルモデルと同じく2),直像鏡型の照明方式を用いたもので,手持眼底カメラとしては簡易,小型等の長所はあるが,一方では瞳孔の中心光軸を使用する方式に比べて,どうしても画質が劣るとか,また角膜反射をさけるために,カメラを極端に被検眼に近づけなくてはならないという欠点がある。著者は1961年にハーフミラーを用いた手持眼底カメラを製作したが3),光学系特に観察系がきわめて複雑であつたので重量も増し(2.2kg),小型カメラとしては操作が不便であつた。しかし得られた画像は,ほぼ同性能の大型眼底カメラに匹敵した。その後,日本光学が(1963年)ハーフプリズムを用いた小型カメラを製作市販した4)。これは形も小さくなり重量も軽減した(1.7kg)ものであるが,カメラバックに既製のカメラを使用したために,他の手持カメラ(たとえばコーワ眼底カメラ)にくらべてはるかに重かつた。しかし画質も良く,作動距離(角膜表面とカメラ先端までの距離)も大(10m/m)であつた。しかし一方にプリズムによるフレアーが生じやすく,特にその前面が汚れると,強いフレアーが生ずるという欠点があつた。この種のフレアーは大型カメラでも起こることであるが,手持カメラは被検眼に近く,睫毛等で汚れる機会が多かつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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