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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科26巻9号

1972年09月発行

文献概要

臨床実験

対眼窩腫瘍放射線療法による脳損傷例

著者: 小原博亨1 赤塚俊一2 中村一夫3 小田善男3 前田聰3 渡辺令4 宮島忠5 阿久津澄義 新城長昭

所属機関: 1今市市阿久津病院 2名古屋鉄道病院眼科 3名古屋鉄道病院内科 4名古屋鉄道病院放射科線 5名古屋鉄道病院臨床検査科

ページ範囲:P.1141 - P.1147

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緒言
 眼窩腫瘍の手術療法にも限界がある場合があり,また,抗癌物質の薬剤療法にも副作用のため使用制限されることがあり,放射線療法の対眼窩腫瘍療法における比重は強い。しかしながら放射線療法にもその副作用はまぬがれないところである。
 小原らは,かつて対眼窩腫瘍放射線療法により,眼窩に最も近い髄膜に炎症および壊死を起こした症例を報告し,かかる副作用を防ぐため,原体照射療法(クリヌキ照射療法)を用いるべきであることを提唱した。しかし,私どもは,眼窩腫瘍に原体照射〔回転照射〕を行なつたが,再発および耳前リンパ腺への転移等のため4回にわたる照射を行なつたので,脳に重大な変化を生じた例を報告し,その脳の病変の機転について,従来報告されているごとき100〜500μの動脈のみならず,実に大きい血管にも変化が現われているのを知つたので,ここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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