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特集 第26回日本臨床眼科学会講演集(その1) 講演 学会原著
円錐角膜の角膜移植後に認められたいわゆる「不可逆性散瞳」について
著者: 小向正純1 大橋孝治1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.23 - P.24
文献購入ページに移動われわれは最近10年間にこの不可逆性散瞳をきたした症例を7例経験した。そのいずれもが円錐角膜の症例であつた。7例中の4例では,Pilocarpine, Escrineに全く反応せず,最終的に不可逆性の散瞳状態に固定した。その2例では術後8日目および20日目より眼圧上昇を認め,後日瀘過手術を行なうに至つた。また他の1例では術後260目より角膜潰瘍を起こし,この3例では移植片は混濁した。残る3例中の1例は移植翌日より散瞳が始まりPilocarpine, Eserine, Phospholine iodide, D.F.P.のいずれも無効であつたが,術後2カ月から3カ月にかけて次第に縮瞳傾向を示し,最終的に径6.0mm程度となつたが,この状態でも縮瞳薬は無効であつた。すなわち不完全な自然軽快例と思われる。
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