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特集 第26回日本臨床眼科学会講演集(その1) 講演 学会原著
虹彩Juvenile Xanthogranulomaの1例
著者: 桜木章三1 高橋信夫1 酒井文明1
所属機関: 1秋田大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.29 - P.35
文献購入ページに移動Juvenile Xanthogranulomaは皮膚科領域では比較的古くからNevoxantho-Endotheliolnaと呼ばれ,一種の良性腫瘍として知られた疾患である。1949年Blankら1)によって,前部ブドウ膜に本疾患の病巣,発生例が報告されて以来眼科的にも注目され始めた疾患である。その後眼内症例の報告が増加し,臨床的には幼児における片眼性再発性前房出血,続発緑内障,虹彩の肥厚と黄色調の斑状病巣が特徴とされ,さらに皮膚症状が伴えば確診につながるものとされている。組織学的には組織球の浸潤と新生血管,Touton型巨細胞の出現がみられる。
今回われわれは前房出血をくり返し,続発緑内障を起こした症例で,虹彩試験切除により診断を確定,放射線治療により全治せしめ得た症例を経験したのて,光顕像,電顕像を加えて報告する。
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