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特集 第26回日本臨床眼科学会講演集(その1) 講演 学会原著
風疹白内障の手術成績—患児のウイルス学的検索
著者: 大島健司1 生井浩1 加納正昭1 中尾文紀1 岡義祐1 日吉康子1
所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.53 - P.59
文献購入ページに移動妊娠初期の婦人が風疹に罹患した結果,胎児に風疹ウィルスの慢性持続性感染が起こり,種々の先天異常を伴つて生まれてくる,いわゆる先天性風疹症候群1)は,わが国では1964年以前にはきわめてまれとされ,散発的な報告を見るのみであつた。
しかし,1965年から1966年にかけて沖縄地方に本症が多発して以来2),日本本土,特に西日本各地においてかなりの症例が発見されるに至つた。このように最近かなりの数の症例がみられる理由の一つとして,風疹の疫学,つまり風疹の流行と妊娠可能な年齢の婦人の風疹抗体保有率との関係などの血清疫学的研究の進歩があげられるが,その他に,本症のprospectiveおよびretrospe—ctiveな診断技術の進歩に負うところが大きいとされている。
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