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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科27巻10号

1973年10月発行

雑誌目次

連載 眼科図譜・192

両眼性前房内水晶体腕臼の一例

著者: 伊澤保穂 ,   塚原重雄

ページ範囲:P.1193 - P.1194

〔解説〕
症例:M.Y.18歳男盲学校生
初診:1972年5月16日

座談会

全身疾患と眼—その全体像把握のために—その3ベーチェット病と眼

著者: 清水保 ,   福代良一 ,   杉浦清治 ,   鹿野信一

ページ範囲:P.1196 - P.1206

 鹿野(司会)今日は「全身疾患と眼」シリーズの第3回目にあたる「ベーチェット病と眼」の座談会に,北海道から杉浦先生,金沢から福代先生,そしてまた今度の厚生省研究班の班長である清水先生にお集まりいただいて,Behcet病の全身的考察をしようということですが,われわれの現在持つているこの病気の本態についての考え方,あるいはそれはWahnになり,イリュージョンであるかもしれませんけれども,そういうようなことを皆様から話していただきたいと思います。
 まず話のきつかけとなるものとして,厚生省の非常に大きな今度の研究班の班長である清水先生から,もちろんまだ全部はまとまつていないだろうと思うんですが,今年の春の発表の中からちよつとおもしろいなと思つたようなことをお話し願えたらありがたいと思います。

臨床実験

キモトリプシンによる白内障全摘出術に関する臨床的研究(第4報)—若年者における手術成績について

著者: 田中直彦 ,   桝田英郎 ,   宮地誠二 ,   大熊篤二

ページ範囲:P.1207 - P.1212

緒言
 若年者はチン氏帯が強靱であるため水晶体全摘出術は困難とされていたが,Barraquer,J.1)によるα—chymotrypsin (以後chと略)を用いたチン氏帯の酵素離断を併用することにより,全摘出術の適応年齢をさげることが可能となつた。
 chによる高齢者に対する手術成績の報告2)〜4)にひきつづき,今回は前報におけるものより比較的高濃度のch使用のもとに行なつた若年者にたいする白内障全摘出術の成績をまとめ,ここに報告する。なお手術成績については早期の成績とともに遠隔成績についても検討する要があるが,本稿では術中所見および比較的早期である術後1カ月までの成績について検討することとした。

Cephalosporiumによる角膜真菌症の一例

著者: 大関尚志 ,   田中直彦 ,   江田亨 ,   神永陽一郎

ページ範囲:P.1213 - P.1216

緒言
 角膜真菌症については古くよりその報告がなされているが1)2),近年になつてとくにその症例が増加していることは内外にひろく指摘されているところであり,これは広範な抗生物質や副腎皮質ホルモンの使用が大きく関与するものであると考えられている。
 著者らは最近Cephalosporiumによる角膜真菌症の一例を経験した。Cephalosporiumによるものの報告例は本邦においては少ないのでここにその症例について記載し,従来の報告に追加をする。

白内障術後の矯正眼鏡に対する考察

著者: 原田清

ページ範囲:P.1217 - P.1224

緒言
 白内障は眼科特有の疾患で,原因がどのようなものであれ原則として治療は手術であり,術後処置はコンタクトレンズまたは眼鏡を使うこと以外には対策がない。
 この手術方法,術式,予後,合併症の対策については顕微鏡手術,ERG,レーザー光応用の検査等で大きく進歩し,白内障患者が入院して医療機関で受ける治療水準ははなはだ向上したが,その反面,退院後の視機能回復についての考慮は不完全,不十分で,医師も患者もあまり関心を払つていない。

Catapresan点眼液の眼圧下降効果について

著者: 梶尾高根 ,   市川宏

ページ範囲:P.1225 - P.1235

緒言
 緑内障治療薬として従来用いられている点眼薬は,主として副交感神経刺激性薬物と交感神経刺激性薬物である。副交感神経刺激性薬物としてはpilocarpine,ならびに抗コリンエステラーゼ剤であるphospholine iodideが代表的であり,交感神経刺激性薬物としてはEpinephrineがある。
 縮瞳剤であるpilocarpinやphospholine io—dideは縮瞳効果が強いため視野が暗くなり,毛様筋の痙攣により一過性の近視をおこすなど患者に不快を与え,またphospholine iodideには長期使用により,虹彩炎や虹彩嚢腫を引きおこすなどの副作用がある。点眼剤として使用する緑内障治療薬は現在なお検討の余地がある。

手術

Poly vinyl formal sponge (Polyeaze)を用いた結膜嚢形成術

著者: 右田寛 ,   吉住真

ページ範囲:P.1243 - P.1246

緒言
 この度,われわれはPoly vinyl formal sponge(以後Polyeazeと略記,竹下寅五郎商店製)を結膜嚢形成術における移植皮片の支持に用い,義眼を中に挿入する新しい手術術式を考案した。
 従来義眼装用のための結膜嚢形成術は,移植皮片を縫着する煩雑さとか,Conformerの種類の選択による結果の良否があり,いずれも満足すべき結果を見るに至つていない。このような欠点を補う目的で,われわれはPolyeazeの応用を行なつた。元来Polyeazeは,耳鼻科等の術後のタンポンとか,ドレーンタンポンとして用いられているもので,角板状と棒状のものがある。

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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