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臨床実験
Down症候群の眼症状
著者: 山下壮之助1 中村晋作1 柿本末人 中村正2
所属機関: 1日赤長崎原爆病院眼科 2日赤長崎原爆病院小児科
ページ範囲:P.1292 - P.1299
文献購入ページに移動Down症候群はLangdon Down1)が1866年にMongolismなる名称を用いて詳しく報告した先天性疾患で,知能発達障害や骨格の異常に加えて,一見蒙古人に似ているということでDownにMongolismと呼ばしめたように特有の顔貌で知られている。1959年,Lejeuneら11)により本症の染色体の異常が発見された。また眼症状についても古くから瞼裂異常,眼瞼内反,内皆贅皮,眼振,斜視,眼瞼結膜炎,虹彩斑点,白内障,屈折異常,まれには円錐角膜,黄斑円孔等が報告されている。しかしこのような眼症状の報告はほとんど外国からのもので,わが国では1961年の丸尾13),丸尾・浜田14)の報告以外は,つい最近渡辺・黒住20)が報告しているにすぎない。
著者らは1968年からDown症候群60数例を観察し,そのうちの約半数は数年間にわたる経過を追求している。本症について若干の知見を得ることができたので報告する。
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