文献詳細
臨床実験
角膜小斑状混濁を合併したRelapsing Polychondritisの1例
著者: 大口正樹1 村井恭子1
所属機関: 1北海道大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1413 - P.1416
文献概要
1923年にJaksch-Wartenhorstが手足の関節の腫脹,疹痛,耳介,鼻の変形を示した32歳の男性をPolychondropathiaとして報告した1)。その後,1960年にカリフォルニア大学のPearsonは反覆性に起こる全身の軟骨の系統的疾患をRelapsing polychondritisとして総括することを提案した2)。この反覆性多発性軟骨炎は耳鼻科的および呼吸系の障害から死亡することもまれではないため3),耳鼻科および内科領域での報告は散見されるが,眼科医にとつてはきわめてまれな疾患である4)。われわれは角膜実質表層の小斑状混濁,上強膜炎,漿液性虹彩炎という比較的特徴的な眼所見を呈したRelapsing poychonldri—tisの1症例を経験したので報告する。
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