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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科27巻2号

1973年02月発行

文献概要

特集 第26回日本臨床眼科学会講演集(その2) 学会原著

成人にみられた高濃度酸素による不可逆的眼障害

著者: 河崎一夫1 奥村忠1 田辺譲二1 米村大蔵1 西沢千恵子2 山之内博2 中林肇2 東福要平2 遠山竜彦2 村上誠一3 小林勉3

所属機関: 1金沢大学医学部眼科学教室 2金沢大学医学部第二内科学教室 3金沢大学医学部麻酔科学教室

ページ範囲:P.137 - P.140

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緒言
 高濃度酸素吸入によつて不可逆的眼障害をきたしうる疾患として,未熟児網膜症が知られている1)。本症では網膜血管が著しく狭細化する。成人においても高濃度酸素吸入によつて脳および網膜の血管が狭細になると報告された2)。この狭細化は,高濃度酸素吸入を止めた後には消失した(可逆的)2)。成人で高濃度酸素吸入によつて網膜血管の不可逆的狭細化をきたしたという報告はまだないようである。本報では,生命維持のため止むをえず高濃度酸素を長期にわたり吸入した重症筋無力症成人患者で起こつた網膜中心動脈(central retinal artery,CRAと便宜上記す)の白線化などの著しい眼底異常を記し,成人においても長期にわたる高濃度酸素療法は不可逆的眼障害をきたすおそれがあることを指摘したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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