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特集 第26回日本臨床眼科学会講演集(その2) 学会原著
若年者にみられた網膜中心静脈閉塞症症例の検討
著者: 山之内夘一1 高久功1 中塚和夫1 舌間宴1
所属機関: 1長崎大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.175 - P.188
文献購入ページに移動網膜中心静脈血栓症に関しては,これまで統計的観察,病理組織学的研究,実験的研究があり,さらに近年は螢光眼底撮影法の導入により血行動態の観点から詳細な研究が行なわれ,この分野における多くの新知見が得られている。しかし対象の多くは高血圧,血管硬化,糖尿病などによると考えられる中年以上の網膜中心静脈血栓症についてであり,40歳未満の症例もそれらの中に含まれているとはいえ少数で,高齢者の場合と40歳未満の若年者の場合を同一に論ずることには問題がある。われわれはさきに若年者にみられた一側性網膜血行障害について報告し23),静脈に由来するもの2例,動脈に由来するもの2例についてのべ,静脈性のものはともにVasculitisが考えられ,血管変性より血管炎に留意すべきことを強調した。今回はさらに若年者の中心静脈閉塞症例をふやし,検討を加えたのでここに報告する。
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