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眼・光学学会
新型細隙灯顕微鏡について
著者: 野寄達司1 馬場賢一1 長谷川弘2 田尾森郎2 児玉明彦2 加藤尚臣2
所属機関: 1埼玉医科大学眼科学教室 2日本光学工業株式会社
ページ範囲:P.241 - P.244
文献購入ページに移動細隙灯顕微鏡は日常の眼科診療において,もつとも使用頻度が高く,また眼光学器械としても基本的なものである。しかも絶えまない改良が行なわれ,その付属装備も発達し,写真撮影が可能なものも市販されている1)。最近では,進歩した光学技術をもとにして国産の細隙灯顕微鏡が市販されているが,いまだに外国製品とくにHaag—streit,Goldmann900が,もつとも高い評価を得ている。この顕微鏡は約16年前に発表されたものでありながら,他の追従を許していない。たとえばAmerican Optical製,Campbell型細隙灯顕微鏡は,1964年に発表されたものであり,Goldmann型を研究し,とくにスリットの輝度を高めたものであるが,その操作性が劣ることからGoldmann900ほど普及していない。また細隙灯顕微鏡として古い歴史をもつ西独Zeiss社のLittman型顕微鏡も,1965年にそのステージをGoldmann型に改良し,操作性を改善した。
このように最近の細隙灯顕微鏡にたいする要求を考えてみると,とくに操作性を重視する傾向がある。この点で,Haag-Streit社の顕微鏡の光学系が,他のもの,たとえばZeiss社製に比して,すぐれているわけではないが,その操作性がきわめてよいために普及したものと考えられる。
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