文献詳細
臨床実験
テンシロンテストによる筋無力症の診断—特に外眼筋筋電図によるテンシロン効果の検討
著者: 向野和雄12 副島直子1
所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室 2北里大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.361 - P.369
文献概要
重症筋無力症にみられる眼球運動障害の診断において,テンシロンテストは最も有力な方法であり,その効果判定にはいろいろな方法が考案されている。すなわち,(1)肉眼的方法1),(2) Tensi1lon tonographyd2)〜4),(3)"Tensilon red green—test"5),(4)"Tensilon EOG, ENG4)6)",および(5)"Tensilon EMG"7)〜12)などがある。これらのうち(5)の外眼筋筋電図検査を応用したテンシロンテストは,原理的にみて最も直接的でしかも特異性のある検査法といわれている。
この"Tensilon EMG"の判定基準には,一般に3種類の方法がある。すなわち,第1にテンシロン静注後約30秒してすでに認められる干渉液における振幅の増大,放電間隔の短縮などをその目標としたもの7)8),第2は外眼筋をその運動方向に働かせ,放電間隔の延長(fatigue phenomenon),振幅の減衰(waning)を引き起こさせておいた後,テンシロンを静注し,その疲労状態の回復をみるもので,第1と同様に干渉波をその判定の目標にするもの9)と,外眼筋よりの単一放電(sin—gle unit)を捉え,その頻度および振幅の減少の回復を目標とするもの10)の2つがある。
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