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特集 第26回日本臨床眼科学会講演集(その4) 特別講演
角膜ジストロフィー
著者: J.1
所属機関: 1カルフォルニア大学眼科
ページ範囲:P.407 - P.422
文献購入ページに移動角膜ジストロフィーについては,臨床的,遺伝学的な面での多くの報告がある。最近の研究はこの病気の種々の面を明らかにし,その結果それらの病因について一層効果的な議論がなされるようになつた。
Dystrophyという言葉は遺伝性の角膜変性(degenerations)として,特別の意義をもつようになつてきた。角膜ジストロフィーという概念(entities)は,しばしば病変の特徴的な位置と形,それに特異的な進行の傾向を包含している。ある種のジストロフィーは以前は角膜に限局していると思われていたが,実は全身の代謝異常の部分的表現であることが明らかとなつた。たとえばFabry病にみられるCornea verticillata (渦巻き状角膜変性)である。その他の角膜に限局しているジストロフィーも,組織の変化はたとえば汎発性アミロイドージスのような他の部位の変化に類似している。また原発性の角膜ジストロフィーとされているものが,全身疾患の部分症状にすぎず,ただ現在の方法では診断ができないのかもしれない。たとえばScheie症候群はムコ多糖症(mucopolysaccharidosis)と確定されるまで,ずつと見逃されていたものである。
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