文献詳細
特集 第26回日本臨床眼科学会講演集(その4)
学会原著
文献概要
緒言
眼部または上顎部悪性腫瘍の治療に放射線照射がしばしば行なわれるが,後に不快な副作用の一つである緑内障を生ずることがある1)。その発生機序はいまだ不明であるが,房水排出路の構造になんらかの変化の生じていることが予想される。すでに光顕レベルで,放射線照射後の緑内障眼には虹彩隅角部癒着や虹彩前面のfibrovascularmembraneの形成が見られたという報告2)があるが,trabecular meshworkおよびそれ以後の扉水流通路の構造変化,ことに微細構造についてはほとんど知られていない。この報告では,Co60照射後絶対緑内障に陥つた2症例より得た眼球の虹彩隅角癒着部およびtrabecular meshworkの電顕的研究を行なうことにより,その機序解明の手がかりとしたい。
眼部または上顎部悪性腫瘍の治療に放射線照射がしばしば行なわれるが,後に不快な副作用の一つである緑内障を生ずることがある1)。その発生機序はいまだ不明であるが,房水排出路の構造になんらかの変化の生じていることが予想される。すでに光顕レベルで,放射線照射後の緑内障眼には虹彩隅角部癒着や虹彩前面のfibrovascularmembraneの形成が見られたという報告2)があるが,trabecular meshworkおよびそれ以後の扉水流通路の構造変化,ことに微細構造についてはほとんど知られていない。この報告では,Co60照射後絶対緑内障に陥つた2症例より得た眼球の虹彩隅角癒着部およびtrabecular meshworkの電顕的研究を行なうことにより,その機序解明の手がかりとしたい。
掲載誌情報