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特集 第26回日本臨床眼科学会講演集(その5) 学会原著
Blowout fractureの診断法,特にX線診断—第2報眼窩近接法,ならびにその立体撮影法について
著者: 青島周明1
所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.587 - P.593
文献購入ページに移動緒言
近年,眼窩骨折,とくにblowout fractureの成因,治療法,その他について眼科医ならびに形成外科医の間で注目されつつあるが,まだその定義すら確立されていない現状である。したがつて,混乱をなくし,統一見解の確立のためにも早急な解決が望まれる。そのためには,正確な骨折像の把握が第一要件であり,種々のX線撮影法が試みられている。著者1)は,第1報においてdryboneを使用し,下壁の骨折を発見するのに適した単純X線撮影法について報告した。しかし,それのみでは十分満足すべき骨折像が発見できないので,今回,近接撮影法を眼窩に応用することを試みた。この近接撮影法は胸骨などの撮影に用いられ,フィルム面との距離が短い骨像を従来の方法より,より鮮明に写し出すことができる特徴がある。この方法はラウエンら2)によりはじめて胸骨撮影に用いられたのであるが,著者はその特徴を利用して眼窩下壁の撮影に成功し,その立体撮影法を考案し,さらにこの方法に造影剤を加味し,dry boneおよびblowout fractureの患者10症例に施行し,良い結果を得たので報告する。
近年,眼窩骨折,とくにblowout fractureの成因,治療法,その他について眼科医ならびに形成外科医の間で注目されつつあるが,まだその定義すら確立されていない現状である。したがつて,混乱をなくし,統一見解の確立のためにも早急な解決が望まれる。そのためには,正確な骨折像の把握が第一要件であり,種々のX線撮影法が試みられている。著者1)は,第1報においてdryboneを使用し,下壁の骨折を発見するのに適した単純X線撮影法について報告した。しかし,それのみでは十分満足すべき骨折像が発見できないので,今回,近接撮影法を眼窩に応用することを試みた。この近接撮影法は胸骨などの撮影に用いられ,フィルム面との距離が短い骨像を従来の方法より,より鮮明に写し出すことができる特徴がある。この方法はラウエンら2)によりはじめて胸骨撮影に用いられたのであるが,著者はその特徴を利用して眼窩下壁の撮影に成功し,その立体撮影法を考案し,さらにこの方法に造影剤を加味し,dry boneおよびblowout fractureの患者10症例に施行し,良い結果を得たので報告する。
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