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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科27巻5号

1973年05月発行

文献概要

特集 第26回日本臨床眼科学会講演集(その5) 学会原著

上斜筋麻痺例における下斜筋Myectomyの検討

著者: 粟屋忍1 野崎尚志1 三宅養三1 浅野俊樹1 酒井寿男1 吉兼美由紀1

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.619 - P.628

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緒言
 上斜筋麻痺の症例はしばしば遭遇する疾患であり,とくに幼児で眼性斜頸を訴えてくるものの大部分は先天性上斜筋麻痺によるものである。しかし,このような斜頸がいつまでも放置されたり,時には眼性斜頸として扱われず,他の治療法により処理されたりしている場合もある。したがつて,上斜筋麻痺を正しく診断して適切な処置をすることが非常に大切であると思われる。とくに,その主症状である眼性斜頸は,適切な眼科的手術により術後短期間に改善がみられることはよく知られている事実である。
 上斜筋麻痺に対する手術法を大別すると,(1)麻痺筋である上斜筋の前転,短縮1)3),(2)ともむき筋である健眼の下直筋の後転4),(3)直接の拮抗筋である患眼の下斜筋の減弱手術等があり,とくに,(3)には後転法5)〜7)のほかTenotomy8)9)10)やMyotomy,Myectomy11)〜13)15)29)等があり,さらにその手術部位により,付着部,下直筋耳側部,下直筋鼻側部および起始部によりそれぞれ術式も異なる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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