icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科27巻8号

1973年08月発行

座談会

全身疾患と眼—その全体像把握のためにその1脳・神経疾患と眼(1)

著者: 豊倉康夫1 井街譲2 石川哲3 中村紀夫4 三島済一5

所属機関: 1東大神経内科 2兵庫医大眼科 3北里大眼科 4慈恵医大脳外科 5東大眼科

ページ範囲:P.984 - P.996

文献概要

座談会「全身疾患と眼」シリーズをはじめるにあたつて
 眼はその光学器機としての構造を満足させるためにはなはだ複雑な構造を持つています。眼には上皮組織あり結合組織があり,また分泌細胞があります。このように多様な組織から構成されている眼は,いろいろな全身疾患の一分症としておかされることが多く,ほとんどあらゆる種類の全身的系統疾患と関連しているといつてもいいすぎではないと思います。このようにデリケートな眼の組織がおかされる場合には,非常に早期に症状が発現し,またわれわれの持つ検査法の発展とともにこれら系統疾患において早期に眼に症状が現われ,これが早期診断の鍵をにぎることもしばしばみられます。また,眼は生きた組織を直接みることができる唯一の器官であり,特に血管系においては最近の螢光眼底造影法の導入とあいまつて,その循環動態まで詳しく検査することが可能となりました。したがつて種々の疾患の診断のみならず,その状態把握ひいては経過の追跡に占める眼症状の役割も次第に大きくなつてきたと言わざるを得ません。したがつて,われわれ眼科医が眼の疾患を眼だけの立場から観察するということは,もはや許されない時代になつたと言つても過言ではないと思います。すなわちわれわれは日常診療において,眼と関連した全身疾患についても詳しい知識を持つ必要にせまられてまいりました。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら