文献詳細
臨床実験
文献概要
緒言
最近のわが国の眼外傷の統計によると1),小児眼外傷は約17%を占め,そのうち幼児期が40%で最も多く,ついで学童期の31%となつている。外国文献もこれにほぼ一致し男子に多い2)。一番頻度の多い幼児期の外傷の特徴は,受傷場所がほとんど家庭内であることと,外傷の内容が片手に簡単に持つことのできる細長いものをもつて一人で振り回しながら容易に転び,転んだ拍子に持つていたもので眼の外傷をひきおこしていることである。ほとんどの親は子供の泣声に驚き,もつていたもの,あるいはそばに落ちているものを確かめずに,腹立ちまぎれにすぐ捨ててしまうために,来院のさいに当時の状況を聞いても要領をえず,これが誤診を招く遠因となつている。
われわれは,黒鉛筆をもつて遊んでいて眼外傷をうけたが,その時の状況判断が明らかでなく,眼窩内異物を見落としたために,特異な経過をとつた症例を経験したので報告する。
最近のわが国の眼外傷の統計によると1),小児眼外傷は約17%を占め,そのうち幼児期が40%で最も多く,ついで学童期の31%となつている。外国文献もこれにほぼ一致し男子に多い2)。一番頻度の多い幼児期の外傷の特徴は,受傷場所がほとんど家庭内であることと,外傷の内容が片手に簡単に持つことのできる細長いものをもつて一人で振り回しながら容易に転び,転んだ拍子に持つていたもので眼の外傷をひきおこしていることである。ほとんどの親は子供の泣声に驚き,もつていたもの,あるいはそばに落ちているものを確かめずに,腹立ちまぎれにすぐ捨ててしまうために,来院のさいに当時の状況を聞いても要領をえず,これが誤診を招く遠因となつている。
われわれは,黒鉛筆をもつて遊んでいて眼外傷をうけたが,その時の状況判断が明らかでなく,眼窩内異物を見落としたために,特異な経過をとつた症例を経験したので報告する。
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