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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科27巻8号

1973年08月発行

臨床実験

特異な経過をとつた幼児の眼窩内異物

著者: 藤江容1 馬杉則彦1

所属機関: 1東京大学医学部脳神経外科学教室

ページ範囲:P.1011 - P.1014

文献概要

緒言
 最近のわが国の眼外傷の統計によると1),小児眼外傷は約17%を占め,そのうち幼児期が40%で最も多く,ついで学童期の31%となつている。外国文献もこれにほぼ一致し男子に多い2)。一番頻度の多い幼児期の外傷の特徴は,受傷場所がほとんど家庭内であることと,外傷の内容が片手に簡単に持つことのできる細長いものをもつて一人で振り回しながら容易に転び,転んだ拍子に持つていたもので眼の外傷をひきおこしていることである。ほとんどの親は子供の泣声に驚き,もつていたもの,あるいはそばに落ちているものを確かめずに,腹立ちまぎれにすぐ捨ててしまうために,来院のさいに当時の状況を聞いても要領をえず,これが誤診を招く遠因となつている。
 われわれは,黒鉛筆をもつて遊んでいて眼外傷をうけたが,その時の状況判断が明らかでなく,眼窩内異物を見落としたために,特異な経過をとつた症例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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