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特集 第27回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 講演 特別講演 学会原著
Uveal Effusionの2例3眼
著者: 清水昊幸1 佐藤千里子1 内野允1
所属機関: 1東京厚生年金病院眼科
ページ範囲:P.71 - P.76
文献購入ページに移動網膜剥離をおこす疾患を二大別し,有裂孔(rhegmatogenic)のものと無裂孔(non-rheg—matogenic)のものとすると1),従来特発性網膜剥離と呼ばれてきたものは前者に属し,後者には種々な疾患が含まれる。今その代表的なものをあげれば脈絡膜の炎症性疾患である原田病,網膜色素上皮の異常によると考えられる2)中心性網脈絡膜炎,脈絡膜感染症であるトキソプラスマ性脈絡膜炎,網膜血管障害による浸出性網膜炎(Coats病)等があるが,最近では周辺性ブドウ膜炎がこれに加わり報告例も多い3)〜6)。
われわれは最近特発性網膜剥離に似て高度な網膜の剥離を生じ,しかも裂孔がなく上記続発性網膜剥離のいずれとも違う特異な症例を経験した。これら症例はその全経過を通じて前房,硝子体に全く混濁を生ぜず,網脈絡膜にもほとんど炎症所見がなく,薬物療法は消炎剤,抗生物質等種々のものを試みたが無効であつた。われわれの経験した症例に類似のものとしてはSchepensらのいうUveal Effusionがあり7)8),さらにGass9),倉知ら10),浦山ら11),の報告も注目に値する。最近では塚原ら12),三村ら13)によつてわれわれの症例と類似の症例が病因論的に中心性網脈絡膜炎との関連において論じられている。
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