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特集 第27回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 講演 特別講演 学会原著
Rieger型中心性滲出性網脈絡膜炎の螢光眼底所見
著者: 杉田新1 吉岡久春1
所属機関: 1久留米大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.138 - P.147
文献購入ページに移動1939年Rieger,H.は黄斑部付近にみられる一種特有な疾患と題して5例を報告し11),氏はこの黄斑部の変化を黄斑部に限局したコーッ病とみなし,その原因を結核と考えたが,1960年,氏がはじめに報告した症例を中心性外層滲出性網膜炎(Rieger)という名称にかえ,その50例につきSabin-Feldman-Testを行ない,84%に陽性だつたことから,本病は後天性トキソプラスマ症に関係があると考えた12)。しかし,Pau10)は1968年,Riegerがはじめに報告した症例を中心性(出血性)滲出性脈絡網膜炎という名称で呼び,その9例を報告し,3例にしかSabin-Feldman-Test陽性例がみられなかつたことから,本病原因にトキソプラスマ症はあまり意義がないと考えた。
一方,わが国では1966年鬼木5)が中心性滲出性網脈絡膜炎(Rieger型)を紹介し,本病の40症例の臨床成績を報告した,,そして本病は後天性トキソプラスマ症に関係があると考えたが,その後現在では,本病は結核,トキソフ。ラマス症,ヒストプラスマ症その他の原因でおこる症候群名7),あるいはトキソプラスマ症やヒストプラスマ症の黄斑部病変をRieger型として表現1)する考え方にかわつている。
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