文献詳細
臨床報告
低眼圧緑内障にPosner-Schlossmann症候群を合併した一症例
著者: 五十嵐良1 田中宣彦2
所属機関: 1北海道大学医学部眼科学教室 2国立札幌病院眼科
ページ範囲:P.169 - P.173
文献概要
視神経乳頭緑内障性陥凹と萎縮,それにともなう視野変化がありながら,眼圧の高くない症例についてはVon Graefeがはじめて認めて以来,多くの人によつて報告され,分類されてきた。しかしその意味するところは必ずしも同じでなく,病因論的にも種々の問題がある。一方Posner—Schlossmann症候群(以下P-S症候群)はPosnerおよびSchlossmannがglaucomato-cycliticcrisesとして症状,診断基準を体系づけで以来,P-S症候群としで多くの報告がなされてきた。しかし両疾患が合併したという報告はまだみない。われわれは低眼圧緑内障(以下low tension glau—coma)に片眼性P-S症候群を合併したと思われる興味ある症例を経験し,約2年半にわたつてその経過を観察したので報告する。
掲載誌情報