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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科28巻11号

1974年11月発行

手術

眼瞼の形成手術—第4報三角瞼の形成手術

著者: 井出醇12 青島周明2

所属機関: 1沼沢・井出病院眼科 2東北大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1229 - P.1234

文献概要

緒言
 元来瘢痕組織は軟部組織の中にあつて,かたい索状物として触れ,拘縮を起こし,醜形を呈するばかりでなく,円滑な運動を阻害している。しかるに,軟骨様の結合組織からなる瞼板にあつては,瘢痕はむしろその周囲より軟らかく,その部でしばしば異常に屈曲する原因となり,また伸展して眼瞼を変形させている。このように眼瞼は形成外科的にみてきわめて特異な場所であること,また「兎眼といえば植皮」というように,これまで外傷性兎眼の手術にあまりに安易に植皮の行なわれてきたことに対する反省,しかしあくまで眼形成といえども形成手術であるから,その原則的手技の応用に忠実でなければならないこと,これらのことを再確認する目的で本論文は書かれた。
 ところで三角瞼とは,外傷性兎眼に対して与えられた別名であつて,この場合兎眼がおおむね底辺を瞼縁に,頂点を円蓋部に持つ三角形を呈するところからこう名付けられ1),大部分は瞼縁にまで及んだ表皮の線状瘢痕と瞼縁の歪みよりなりたつが,これまで形成手術の困難なものの一つに数えられてきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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