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臨床報告
糖尿病性網膜症に対する薬物効果における実験的,臨床的研究
著者: 小嶋一晃1 原田敬志1 杉田元太郎1 馬嶋慶直2 小嶋克
所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室 2名古屋保健衛生大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1309 - P.1318
文献購入ページに移動糖尿病性網膜症の発生は,網膜自体の代謝系にたつて,さらに血管周囲がglia細胞やMüller細胞で囲まれるといつた構造にも関係があると思われる。本症では,糖尿病の早期発見とその管理が発生,進行にも重要であることは周知のごとくである。一般には良き管理のものでは5年以上の観察によつても,stage I〜IIの者の60%位は停在性を示すと思われる。したがつて眼科的の諸治療の効果を扱う場合では,以上の条件を考慮する必要がある。Aglumin使用もこの点例外ではない。Agluminが特に血管の透過性亢進を抑制しhyaluronidaseの拡散現象をおさえること(宮沢氏1),稲田氏2),Huguet3))や,毛細血管の抵抗性を亢めること(立井氏4))が報告されており,本症においては初期に適用が可能であると推定される。われわれは糖尿病性網膜症およびStrepto—zotocin-ratの組織所見を参照して,Aglumin併用実験成績と臨床例について考察した。
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