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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科28巻12号

1974年12月発行

臨床報告

メチアジン酸の研究—その2ブドウ膜炎に対する使用経験

著者: 大西宏司1 疋田春夫1 宮田幹夫1

所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1325 - P.1328

文献概要

緒言
 ブドウ膜炎の治療には,アトロピン点眼,ステロイド剤,変調療法,免疫抑制剤および非ステロイド系消炎剤などが使用されている。最近の研究では,特にベーチェット病においてステロイドの全身投与を疑問視する傾向が強い。したがつてなんらかの抗炎症作用を有する薬剤が望まれている。われわれは最近フランスで開発された抗炎症効果を有し,鎮痛作用のある10—メチル・2—フェノチアジール酢酸(メチアジン酸)を各種ブドウ膜炎に応用した予報結果を,1973年度厚生省ベーチェット病研究会斑会議で報告した1)。本剤はヒスタミン,抗セロトニン作用がクロルプロマジン等より少ないといわれている。構造式は下記のとおりである。
 本剤の臨床的応用は,リウマチ性関節炎,各種疼痛に有効であることが本邦でもすでに報告されており,一方,ブドウ膜炎に対する応用はTho—mas2)等によりフランスで報告されている。本邦においても徳田3)の報告がある。今回は北里大学眼科において,各種ブドウ膜炎20例(うちベーチェット症候群15例),難治であつた眼痛を有するワレンベルグ症候群1例,絶対性緑内障2例,眼窩腫瘍1例に使用し,興味ある結果を得たのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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