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眼・光学学会
Moiré Patternsを用いた視力測定法について(その3)—遠隔操作付き縞視力測定器の測定条件の検討
著者: 神谷貞義1 山本時彦2
所属機関: 1名古屋市,奈良県立医科大学 2日点医療組織工学部
ページ範囲:P.1335 - P.1339
文献購入ページに移動昨年,1昨年の中部日本学会において,「Moi—ré patternsを用いた視力測定法について」1)2)と題して,従来の視力検査に用いられるLandolt環を基本とした万国視力表を中心にして,各国の国情によりアラビヤ文字,仮名文字等を用いたいわゆるLandolt accuity (ランドルト環視力)を採用し使用されているが,著者らはこれらの意味を有する文字指標の基準化の困難性を解決するには,眼の解像力そのものを表示数量化し,かつ抽象的指標としてMoiré patternsの縞模様に着目し,縞幅をリモートコントロールにより連続的に自由に増減しうる縞視力測定器〔視標形状26cm (直径)正円形〕を紹介し,その試作器について,原理およびその構造,装置の操作法,基礎実験として縞視力に方向性が存在すること2)3),視標距離は3〜5mが適当であること,空間周波数表示により距離の影響は消失すること,空間周波数表示によるOrientumの差の軌跡が同心円的なものではなく,水平軸に長軸を有する楕円面であることは,網膜→大脳皮質系を含めての主観的な光感覚の場,視感覚そのものに差があることを示唆する等について言及した。
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