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眼・光学学会
前眼部螢光血管撮影法に関する研究—その2撮影装置の改良
著者: 松井瑞夫1 浅井美子1 佐藤勝2 山本昭2 滝沢志郎2
所属機関: 1日本大学医学部眼科学教室 2東京光学株式会社
ページ範囲:P.1347 - P.1353
文献購入ページに移動前報において,著者らの一人松井は,焦点距離200mmの接写レンズを電動式一眼レフカメラにとりつけた撮影系と,観察用のタングステン電球と撮影用のクセノン電球とをもつた照明系とを,細隙灯顕微鏡用の架台にとりつけた前眼部螢光血管撮影装置を考案作製したことを報告した。また,これらの装置により,粒子性と被写体深度の点ですぐれた螢光血管造影写真がえられることを,数例の写真を供覧して報告した。
今回われわれは,前報で報告した焦点距離200mmの接写レンズを用いる撮影装置にいくつかの改良を加えたので,ここに報告する。改良の主要目的は,高速連続撮影を可能にすることと,細隙灯撮影を可能にすることとである。結膜血管は,その透過性が網膜血管のそれと異なり,むしろ脈絡膜血管の透過性と類似しており,このため色素到達以後,まもなく色素のもれが始まるので,短時間のうちに連続撮影を行なう必要があることが,高速連続撮影を必要とする主な理由である。そして,高速連続撮影をクセノン管の放電によつて行なうためには,大容量,高出力の電源装置が必要となるので,この大きな光量を利用して,細隙灯撮影を行なうようにするというのが第2の改良である。
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